行政を巧みに利用する企業の広告戦略に乗せられるな!

 去る2月20日は179回目の街頭演説。テーマは行政利用の企業戦略についてです。

 先ず平成29年1月、大阪府が塩野義製薬㈱と協定を締結しました。これは発達障害児を支援するという名目で、「子どもの未来支援」と呼ぶものです。と申しますのも、当時同社は厚労省に対し、注意欠陥・多動性障害(ADHD)児に対する治療薬「インチュニブ」を承認申請しており、同年4月に承認されたのです。
これは、国の指針に基づき、各自治体が発達障害の早期発見・早期療育を推進していることから、発達障害の一つであるADHDに対応する治療薬を売り込もうとの意図が透けて見えます。
 問題は、これらの薬剤は向精神薬と言われ、覚醒剤と同じ成分が混入しており、副作用も必ずあるため、特に児童への服用は大変な危険をはらんでいるのです。向精神薬を服用すると、薬漬け地獄から抜け出せなくなり、一生この薬と付き合っていかねばならない状況に追い込まれます。しかも副作用を抑えるため別の薬を処方され、複合的な副作用に陥り、一生を台無しにしてしまいかねません。
 このことを起点に、塩野義製薬は翌30年、次々と行政と協定を締結して行きました。即ち滋賀県、さぬき市、東かがわ市、愛知県、岩手県、そして我が広島県もその例に漏れません。
 実は、発達障害は生まれながらの脳の機能障害と言われてはいますが、具体的に脳のどこの部分がどのような機能障害に陥っているのか、未だに解明されていないのです。つまりエビデンス(医学的根拠)が全くない訳で、それを処方する薬など本来存在しないのです。これは精神病全般にも言えることです。
 そうこうする内にこの度、塩野義製薬が申請した次なる4番目のADHD処方薬「ビバンセ」が医薬品第一部会で承認されました。来月にも厚労省で正式承認されるということです。益々発達障害児が危険にさらされるのを懸念しています。実際私は、幻覚症状が現れ、自殺願望が芽生え、何度も自殺未遂を繰り返し、最後には自殺が成功した薬漬けとなった発達障害児の末路を目の当たりにしています。
 さて、広島県が協定を締結したということは、呉市にもその余波が必ず押し寄せて来るはずです。私はこれをはねのける覚悟です。

 ところで我が呉市においても、特定企業との協定を平成26年度に締結しました。それは、呉市の障害者就労を促進する目的で、㈱アイエスエフネットライフが相手です。同社はIT企業として海外にも活動拠点を持ち、本拠地である沼津市で成功を収めていると聞きました。即ち、障害者就労継続支援A型、同B型、就労移行支援と障害者就労の多機能型を有し、障害福祉サービスの計画相談事業も実施するというのです。
 特にA型は比較的障害の軽い方を対象に、最低賃金を確保し、自社が得意とするIT関連の事務や他企業のコールセンターを請け負うのです。そして沼津市の様に、無農薬野菜作りとそれを食材活用した食堂経営という構想があり、障害福祉の総合商社として、一つのビルにテナント入居するというのです。
 実際、チャレンジコアが入居している呉駅西中央ビルを総合テナントビルにしようとしましたが、1階が旧交通局が所有していた給油所があり、障害者には危険との理由で、交通局が以前所有していた呉駅西共同ビルに本社を据えたのです。
 その後呉市は、生活困難者自立支援法に基づく、自立訓練事業を平成27年10月からスタートさせました。ところがこれを、㈱アイエスエフネットライフが全額出資する㈱アイエスエフネットケアに随意契約で発注したのです。私はこれを28年9月の決算委員会で指摘し、随意契約理由を糺しました。すると、「呉市と障害福祉で協定を締結しているというのがその理由の一つだ」との答弁が返って参りました。糺しこれは理由になっていません。地方自治法施行令では原則入札となっており、随意契約を締結する場合は、それなりの理由が必要であって、協定締結は理由にはならないのです。この自立訓練の事業をA型事業所が請け負う構図となっていたようです。
 ところが、1年半の契約期間を終えて、同社が撤退してしまいました。29年度からは私の指摘もあってか、プロポーザル(事業提案)方式で委託先を選定することになりました。つまりようやく競争原理を導入することになったのです。結局、同社が応募することはありませんでした。
 更には平成29年度末を以て、障害者就労継続支援A型から撤退してしまったのです。これは全国のグループ会社の全てがそうだったらしいのです。国からの補助金を利用者への賃金に充てていたため、それができないような省令改正と呉市条例改正が行われると、事業を継続できなかったことになります。
 つまり、この時点で障害者の多機能型福祉サービスを掲げていた一角が崩れたことになります。しかも一部のA型利用者を最低賃金や就労契約とは無縁のB型への転換を推奨しました。これでは障害者への福祉後退の何ものでもありません。
 因みにあくまで一般論ではありますが、同一グループでA型、B型を経営する場合、その中で利用者を回せば、国の特定求職者能力開発助成金(特開金)を受け易く操作することが可能となります。
 更に当初構想していた、障害者の無農薬農法と無農薬野菜による食堂経営は未だ実現していないばかりか頓挫したようです。そればかりか、食堂事業名目で平成28年度に、呉駅西中央ビルの給油所とその地下タンクを呉市に撤去させました。しかしその予算は計上されていませんでした。ということは実現性のないものに対して呉市が予算を執行し、税金の無駄遣いとなったと言われても仕方ありません。この予算流用は、当時の市長のトップダウンだったと容易に推察されます。
結局障害者福祉で協定を締結したものの、他の事業所に比べ優遇されたにも関わらず、その事業構想は悉く失敗したと言えるでしょう。当初から協定締結するべきではなかったと思われますが、この後に及んでは、新市長になったことを踏まえ協定を破棄するべきと昨年当局に進言しましたが、そのままになっています。

 一方呉市は、骨粗鬆症予防事業の一環として、啓発講演会の講師謝金等で今年度4,200万円を国民健康保険特別会計で予算計上しています。
 ところが、医療機器商社である㈱アステムから話が舞い込み、呉市と同社が共催でこの啓発講演会を、去る2月2日にくれ絆ホールで開催したのです。タイトルは「『骨粗しょう症』に着目した介護予防・重症化予防について」です。呉市は予算を一切使わずに済みますから、これは渡りに船とばかりに、軽々しくこの企業提案に乗っかったのでした。

 案の定、講演会案内チラシの裏には、アステムが取り扱う医療器具が写真入りで説明まで付けて掲載されていました。
 しかも同日は、ホールに隣接するシビックモールの多目的室(スペース)において、介護用ロボット・福祉機器等展示・体験コーナーが10時から17時まで開設され、アステムはピーアールに躍起です。その中のメインがヴィストン㈱が開発した介護用ロボットSota(ソータ)君です。NTT東日本がそれを利用してロボコネクトサービスを展開しています。コンピュータには学習機能を備えているので、ちゃんと話し相手になってくれます。
呉市との共催事業ですから、この展示スペースの使用料や絆ホールの使用料は免除される訳です。大体企業宣伝であれば、例え使用料を支払ったとしても、営利目的との理由から、市役所1階のスペースを借りることは先ずできません。企業から見れば、この度の講演会は、広告宣伝費という支出項目になっているのです。講師も地元の医師や薬剤師の計4名なので、講師謝金もそう高くないと推察されます。呉市と共催、しかも市役所という公共スペースを利用して堂々と宣伝できるのですから、企業にとっては安いものです。
 行政は公平性が売りですから、特定企業を利することは厳に慎まねばなりません。私は早速福祉保健課に対し、この問題点を指摘しました。それを受け同課として、呉市地域対策協議会の骨粗しょう症地域包括医療体制検討小委員会でも検討してもらい、次年度の同事業の手法を見直すことになりました。